どうもほのぱぱです!
飲食店に勤めていますが、すごい困っていることがあります。
それは
【食品ロスが多すぎる!】
飲食店では毎日のように、多かれ少なかれ食材を捨てているのが現状です。
特に最近は、予約キャンセルでの食材廃棄も目立ちます。
食材を捨てることは利益に直結もしますが
そもそも
食べれるのに捨てるのはもったいない!
食品ロスが社会問題になっていますが
腐ってしまったり、食べられなくなって捨てることよりも、「まだ食べられるものを捨てていることが多い」現状が続いています。
そこで今回は飲食店の食品ロスについて、飲食店の現場に焦点を当てて改めて考えたいと思います。
目次
飲食店の食品ロスの現状
飲食店での食材ロスの原因はさまざまです。
予約のキャンセル、食品の発注ミス・作りすぎ、調理の失敗etc。。。
まずは全体でどれくらいの食品ロスが出ているのかを見てみましょう。
日本の食品廃棄について
まずこの図を見てください。
厚生労働省が発表した平成28年度の食品廃棄物の実態を表す図です。
図では難しくわかりにくい部分もありますが、まだ食べられるのに捨てられている食料は643万トンあります。これがいわゆる食品ロスと言われている部分です。
- 平成26年度のデータですが、世界中に飢餓に苦しむ人々に向けた食品援助量が約320万トンです。
- 日本人全員が、毎日お茶碗一杯分のごはんを捨てている量に相当。
食品ロスが643万トンがどれほど大きい数字が分かります。
また、643万トンのうち外食での食品ロスについてです。
こちらの図です。
外食事業での食品ロスは133万トンもあります。
この中でも多いのが食品の食べ残しと言われています。
せっかく注文しても食べきれなかったり、食べれる量以上に注文してしまうことが原因です。
特に食べ残しが多い外食シーンがこのふたつ。
- 披露宴などのパーティでの食事
- 宴会等の大人数での食事
披露宴やパーティですと豪華な料理がずら~っと並びます。
でもそういった席でガツガツ全部食べる人って少ないのかもしれませんよね。
かといって料理が少なかったりインパクトがないとせっかくの披露宴もさみしくなってしまいます。
余談ですが、お弁当屋お惣菜販売の中食を合わせるとさらに多くなります。
中食で目立つロスといえば最近とても問題になっているあれです⇓
- クリスマスケーキ
- 恵方巻
- 年末年始のおせち・オードブル
この辺はコンビニ業界中心に問題視されましたね。
年々予約制度が充実してきたりしていますが、まだまだ課題がありそうです。
飲食店の食品ロス
上記でもあるように、外食産業からの廃棄量は年間133万トンととても多いのです。国の食材ロスのおよそ1/5が飲食店から出ているということになります。
まず、廃棄ロスの主な原因です。
- お客さんの食べ残し
- 見込みミスでの作りすぎ(仕込みすぎ)
- 食材の賞味期限切れによる廃棄
- 腐敗等による廃棄
全部合わせると、一日の営業でごみ袋いっぱいになってしまいます。
食品ロスの量としては「お客さんの食べ残し」が一番多いようです。
なのですが変な話、「お客さんの食べ残し」については、量を調整するメニューを出すなどの対策は一部できると思いますが、正直こちらでコントロールしにくい部分です。また、代金も頂いているので文句も言えません。
それに対して調理従業者が注目している食品ロスが、2番目の「見込みミスでの作りすぎ」によって食べられるのに捨てている金額がなかなか高いのです。
そして気になる廃棄量や廃棄金額の話です。
憶測ですが、年間での廃棄金額です⇓
- 小さい規模のお店で数万円~数十万円分。
- 大きい規模でのお店で数十万円~数百万円分の食材を捨てていると思われます。
もちろんお店によって様々ですし、工夫もされていると思うので一概には言えませんが、おおよそこれくらいだろうと推測します。
では、「食品ロスが出やすい時と金額のポイント」を、規模が大きいお店と小さいお店で比べてみましょう。
披露宴や宴会などの食事を用意するような規模が大きいお店の特徴としては
- 食材の単価が高く、少量の廃棄でも金額が大きくなる
- 事前に利用人数が分かることが多いので仕込みすぎでの食品ロスがでにくい
- 半面、予約の人数の変動がある場合に仕込んでしまった食材のロスがでやすい
- 食べ残しが多い
一方で小さい規模のお店としてはどうでしょう。
例えば牛丼屋さんや定食屋さん・居酒屋さんなどです。
- メニュー数が少ないほうが廃棄量は比較的少ない
- 予約制度がほとんどないため、毎日のメニュー出数の推測が難しい
- 注文してからすぐ提供するための仕込みが多くロスに繋がる場面も多い
- メニュー単価が低いので少しの廃棄でも利益に大ダメージ
飲食店でも、規模の大きさや業態・単価によって悩みはさまざまです。
ですが飲食店全般に共通して言えることは
メニュー出数の予測と用意する食材の量が合わないと食品ロスにつながるということです。
ここが非常に難しいところでもありますし、ここの予測が店長の腕の見せ所の一つでもあります。
でも現状はさまざまな原因によって食品ロスに繋がっているのです。
以下に続きます。
食品ロスの主な原因
「メニュー出数の予測と用意する食材の量が合わないと食品ロスにつながる」の観点から主な原因をあげていきたいと思います。
予約のキャンセルの大打撃
飲食店の利用において、予約する場面も多いかと思います。
若干の人数の変更や、時間の変更はある程度やむを得ないでしょう。
ただ、予約をまるまるキャンセル。これがなかなか厳しいのです。
飲食店は予約状況をみて、前日や前々日に食材の仕入れの注文をおこない、当日の予約時間までにはすぐに提供できるように調理します。
もちろんわざとやっていない場合もありますし、やむを得ずキャンセルしなくてはいけない状況もあると思います。幹事さんと話していて「後日に変更」なんてこともありました。こういった場合はもうしょうがないですよね。
でも悪質なパターンもあるのです。
これは勘弁してほしい!っていうリストです。
- 団体で複数店で予約する
- デート目的で複数店を予約する
- 予約したのに連絡なしでキャンセル
◆団体で複数店で予約
夏に多いパターンかもしれません。
なぜかというと、屋根のないビアガーデンやテラス席で開放的に食事したいので、そういったお店に予約をします。
でも「もし雨ふったら。。」の保険で違いお店にも同日に予約をするパターンがあるようです。特に団体なので、当日雨が降ってからのスケジュール変更がしにくいのです。
これが原因でどちらかのお店に大打撃が。
打ち上げだったりで20名~100名以上の団体様で予約が多いですね。
人数が多いので予約するほうも大変ですが、食材を用意するほうも大掛かりになって、キャンセルになると、人数が多い分ダメージも大きくなってしまいます。
◆デート目的で複数店予約
できる男のデート方法?か何かでネット等に取り上げられました。
その時の状況や相手の好みで複数の優良飲食店に予約しておいた中の一つを選んでデートで利用するパターンですね。
もちろん複数予約しといたほうがいい事情もわかりますが、果たして予約したお店に来店しないのにいい男かどうか。。。
いろいろ言いたいことはありますが、ここに関してはちょっと趣旨と異なってきてしまうのでここまでに。
◆予約したのに連絡なしでキャンセル
予約してもらったものの、連絡なしで来店されないパターンも多いです。
これ非常に困ります。
来店がないのに席を空けとかなければいけませんし、予約分の食材を確保しておかなければなりません。
キャンセルならキャンセルで連絡いただけたほうが、席も稼働しますし食材もほかの料理に使える可能性が出てきます。
予約しても予定が入ってしまって来店できない場合も時にはあるとは思います。せめてキャンセルの連絡はお願いしたいものです。
現場の仕込みすぎ
これは予約のキャンセルや変動とは別の観点からです。
毎日の売り上げの変動や予測がとても難しいのが現状です。基本的には品切れはお客様満足度に繋がらないので、お店側としては品切れしないような仕込み方にしている店舗も多いはずです。
でも多くの食材は、仕込んでしまうと食材は日持ちしません。
どういうことかというと。
例えば豚の生姜焼きのメニューがあります。
使用する材料の豚を薄くスライスすると、肉のブロックのままよりも空気に触れる部分が多くなり劣化が早いです。肉のブロックのままだと3、4日もつものも、スライスすると美味しく食べれる日数としては1日くらいです。
また、冷凍食品なら解凍した時点で劣化が始まります。
じゃあ仕込まなければいいんじゃない?ってなりますが、スライスしておかないとオーダーが入ってすぐに調理を始められないので提供が遅れてしまうことも。どれくらいの量を仕込むかで営業がスムーズになって食品ロスも最小限で抑えられるかが決まってきます。
従業員の裁量が求められるところです。
また、働き方改革やサービス業の人で不足も影響してます。
アルバイトスタッフが採用困難の中、働き方改革によって社員の残業時間管理も厳しくなり人手が足りていないのが現状です。
なので少ない人数で営業するために仕込みを多めにしておくお店もあります。
新メニューに切り替わる度に
多くの飲食店で年に数回~数十回、既存のメニューを廃止して新メニューをリリースするタイミングがあります。
お客様満足度向上のためにも必要なことですよね。
メニューが切り替わる前日までは、なるべく品切れしないように食材を確保します。なのでどうしても次の日から使わなくなる食材を捨てることも。
それがチェーン店ですと、1店舗ではなくて何十、何百店舗なので廃棄する量が半端ないのです。
もちろん他のメニューで使用できる食材は有効活用していますが限界もあります。
それともっと深刻なのが、取引先に残ってしまった在庫です。
例えば豚の生姜焼きの豚肉を「〇〇産の冷凍豚ロース」を使用するとします。
大きな企業の飲食店ほど、新メニューを出すときに使用する食材をまとめて購入する場合があります。「生姜焼きがどれくらいの期間の販売で、おおよそどれくらい豚肉を使用するか」見積もりを取引先に出して、取引先はその見込みデータをもとに食材を用意します。
豚の生姜焼きのメニューを違うメニューに変更になると、この取引先が用意して冷凍庫に保管してある「〇〇産の冷凍豚ロース」が大量に余ってしまうケースがあるのです。
ここでのまとめです⇓
- 大手チェーンですと使用分を予想して最初にまとめ買いをする。
- チェーン店は店舗数が多いので少しのメニュー変更でも廃棄が多くなる。
- 企業は他の飲食店と差別化するために「〇〇産」などの指定をする場合が多いので、この残った豚肉を他の企業に回すってことがむずかしい。
まかないにせずに捨てている現状
◆賄い制度について
「捨てるくらいならまかない(賄い)に」って思う方もいるかもしれません。
意外と知られていないのが制度がしっかりしている飲食店はまかない(タダ飯)が原則ありません。
チェーン店など制度がしっかりしているところは尚更で、あるとしても食事補助制度で半額で食べられるところはあります。
もうちょっと詳しく説明すると、使用者は労働者が働いた分だけ給与を支払います。給与は現金だけのルールじゃないのですね。賄を労働者にタダで提供していると給与としてみられる場合があります。
税務署の監査が入った場合、追加で税金を支払はなければいけなくなる可能性があります。
食事補助制度ですが、「労働者の食事代が半額以上の支払いがあること」「その食事によっての会社の負担額が月に3,500円以内であること」を条件に給与として課税されません。
なので半額までの補助を行っている企業がたくさんあるのです。
(※半額の金額で1か月に5,000円分の食事をしたら、給与明細に10,000円乗ることになります。税金を払う量が増えるということになります)
なのでチェーン店などのちゃんとした企業が行う賄い制度は、原則タダで食べれる食事なく、食事補助として半額等で食べれますよって制度が多いはずです。
個人店などで賄いでタダで食事を提供していると、税務署に入られたときには追加の税金を払うはめになるかもしれません。
◆コンプライアンスが厳しい
それと最近はコンプライアンスに対しての意識も高いことも要因の一つです。
あまり声を大にしては言えませんが、ずっと前の話です。以前は余ったものを食べたりしていた時期もありました。味見や調理の練習にしていました。現在の飲食店はとても厳しくなり、捨てる食材は捨てた量を記録して集計します。
食品ロスの現状を把握し改善するためにも会社もデータを残します。
ちょっと話が脱線しましたが、ここでのポイントまとめます!
- 原則、タダで食べられる賄い制度はない
- なので食材が余ったからと言って従業員に還元できない
- コンプライアンスも厳しく勝手に食べてはいけない
- 廃棄する食材は量を記録し速やかに廃棄する
なので、食材が余ったからといって、店舗の現場では有効活用できる手段が基本的にはないのです。
残った食材は、基本的にはそのまま食品ロスになってしまうのが現状です。
食品ロスを少なくするための工夫
飲食店を利用する場合の工夫
私も含めて飲食店を利用する立場の場合気を付けたい部分です。
- 食べれる量だけ注文する
- 宴会などでも極力食べ残しをしない
- 予約のキャンセルをしない
これだけで食品ロスの大半が減るはずです。
私も飲食店従業員だからこそ気を付けたい部分です。
もう一つ従業員目線ですが、わがままを言うと
多少の品切れには寛大になれると、お店側も無理して食材の仕込みをしなくていいのでロス削減にもつながると思われます。
飲食店従業員の工夫
従業員の工夫は正直めちゃいっぱいあります。
現場レベルでできることは限りはあるかもしれませんが、売り上げ・出数予測から、発注量・仕込み量やら言えばきりないです。
食材を扱う仕事です。要は仕事の制度を上げることが大切です。
また、もし品切れしてしまっても、しっかり事前にお客様に伝えて誠意ある接客ができれば、大半のお客様は許してくれてまた来てくれるはずです。
まとめ
今回は現場レベルでの食品ロスについて書かせていただきました。
様々な要因があって、どうしても出てしまう食品ロス。
でも、飲食店を利用するほうも、飲食店で働く側も、少しの工夫と努力でもっともっと食品ロスを削減できると思っています。
難しいことは重々承知ですが、少しでも食品ロスが少なくなるように、みんなで考え行動できればなと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。